もし弾道ミサイルが日本に飛んできても…日本にはBMDがある!

      2018/07/10

先日今年2回目の北朝鮮による弾道ミサイル発射実験が強行されました、今回の実験は有事の際、在日米軍基地の攻撃を担当する朝鮮人民軍戦略ロケット軍、火星砲兵部隊という新しく編成された部隊だったと報道されています。私が住む町、佐世保の米軍基地もそのターゲットになっていると報道され正直非常に驚いています。

 

火星砲兵部隊が運用しているスカッド、ノドン、テポドンなどの”弾道ミサイル”とはその名の通り放物線状の弧(弾道)を描いて着弾時には音速の10倍以上のスピードで地表に到達すると言われています。

この超高速ミサイルの弾頭に核兵器や、生物、化学兵器を搭載して敵国の市街地や重要拠点を狙う「戦略ミサイル攻撃」は、冷戦時代から現在まで、発射されれば防ぐ手立てはありませんでした。対抗するにはこちらも同等のミサイルを配備し、「相手が撃ってきたら、必ずこちらも撃ち返す」相互確証破壊という戦略構想を持って抑止力としていました。双方撃つことができないこの戦略は一応の成功を収め、米ソ等の核保有国同士は冷戦中一度も熱い戦争にはならず相互確証破壊が核を持つ先進国同士の戦争を無くしたとの言説もあります。

 

では現代日本のように核ミサイルを持たない(持てない)国は弾道ミサイルに対して無力なのでしょうか?決してそうではありません。

実はアメリカと日本は「BMDシステム」を保有しています。BMDとはその名の通りBallistic Missile Defence=弾道ミサイル防衛の事で、猛烈なスピードで接近する弾道ミサイルを我が方の迎撃ミサイルで撃墜する事が可能になりました。

日本ではアメリカとの連携のもと2004年からBMDシステムの整備を開始しており、現在では弾道ミサイルに対処する2段構えの盾として機能しています。

 

もしも日本周辺の某国が弾道ミサイルを発射した場合、まず、瞬時に空自の警戒管制部隊の地上配備型レーダー、海自のイージス艦レーダー、米軍の偵察衛星、弾道ミサイル観測艦などがミサイル発射時の熱等を検知、上昇中のミサイルを発見、追尾します。国民に向けては全国瞬時警告システム(Jアラート)が発令され、着弾予想地点周辺には国民保護サイレンが吹鳴するよう取り決められています。

 

フェーズ1を担当するのは弾道ミサイル対処システムを搭載している海上自衛隊の護衛艦こんごう型イージス艦4隻、キネティック弾頭という特殊な弾頭を搭載したスタンダードミサイル”SM-3”をもって大気圏内を上昇中のブースト段階や、宇宙空間で慣性飛行しているミッドコース段階の弾道ミサイル弾頭部を迎撃、撃墜します。

 

ミッドコース段階で破壊できなかった場合、フェーズ2へ移行、航空自衛隊高射部隊のペトリオットミサイルPAC-3が大気圏に再突入したターミナル段階のミサイル弾頭を撃破します。

 

上記のように弾道ミサイル防衛の技術において日本は極めて優れているのですが、我が国の場合、急迫不正の緊急事態に対しての法整備がまだまだ追いついていないという現状は否めません、しかしそのような状況の中で、2016年8月に稲田朋美防衛大臣が弾道ミサイルの破壊措置命令を常時発令に転換した事は充分評価に値すると思います。

日々厳しさを増しつづけている日本周辺の安全保障環境ですが、私達国民一人ひとりが考える事で変わる事もあるはずです。今後もにゅ~ぺとりでは国防、安全保障についても色々ご紹介していきたいと思います。

本日もご覧頂きありがとうございました。

 

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