練習艦隊かしま 艦上レセプションに行ってきました。

      2018/07/06

先日、練習艦隊が近海練習航海の為、海上自衛隊佐世保基地倉島岸壁に寄港しました。

練習艦隊とは、この3月中旬に広島は江田島の幹部候補生学校を卒業したばかりの海自幹部自衛官(外国基準で言うところの海軍士官)が初めての航海を体験するための文字通り練習の為の艦隊です、海自幹部は全員がこの練習艦隊による航海実習を修めています。

その艦隊が佐世保に寄港している間、練習艦隊旗艦「かしま」艦上でのレセプションに出席してきました。なかなか国民が目にする事のない練習艦かしまをレポートしたいと思います。

夕方5時半、あたりが夕焼けに照らされる頃海自倉島岸壁に到着し、練習艦隊旗艦「かしま」に乗船します、今回のレセプションは岸壁に停泊したままの催しのようです。

「かしま」の艦後部は紅白の垂れ幕で覆われています、どうやらあちらが会場のようですね。

乗艦する前に一通り外観を眺めます。奥からやまゆき、はるさめ、かしまと並んでいます。

かしまの艦首番号は3508 艦首部には62口径76mm単装速射砲が一門。

海自の他の護衛艦にない特徴、手すり部分に防風キャンバスが張りめぐらされています、その名の通り防風の為の装備ですが、普段は艦艇と同じ色の灰色だそうで、外国の港に入港した時や、貴賓を迎える時などに白の布に換えておめかしするそうです。スマートな海軍さんの伝統が今も息づいています。

舷梯を上ります、かなり乾舷(船の本体部分)が高い印象です。海自の舷梯は普通金属の物なのですが、僕が上った前部舷梯は木が貼ってある貴賓用のハイグレードな物でした、

 

後部の舷梯と見比べてみてください、乗組員は掃除の時しか前部舷梯を踏む機会はないそうです・・・。

舷梯を上りきったすぐ横には「練習艦 かしま」のネームプレートが。

 

促されるまま艦を進んでいくと、海自艦艇とは思えない、まるでホテルの廊下のような内装の通路が!やはり遠洋航海実習の際、外国の賓客が乗り込んでくる艦艇なので、お客が入る場所はこのような内装なのでしょうね。

かしま左舷中部、内火艇の後部に「かしま」の文字が。

護衛艦でいうところの後部ヘリ格納庫に当たる場所には実習員講堂がありました。決して広いとは言えない空間ですが、艦の中ではおそらく最も広い屋内スペースのようです。ここで多くの実習員が講義を受けているのでしょうか。

講堂の上には額に入れられた訓令や心構えなどが実習員を見守っています。

講堂を通り過ぎてかしま右舷後部甲板へと出ました、上部甲板からヘリ甲板に降りる為のゆるやかな坂道「オランダ坂」には足元が滑らないように赤絨毯と階段が設置されています。海自護衛艦の後部両舷には「オランダ坂」のある艦は珍しくありません、名前の語源は長崎三菱造船のある長崎のオランダ坂が由来だそうです。

レセプション会場である後部ヘリ甲板にはすでに多くの来賓が詰め掛けていました。

 

料理もとても手が込んでいます、この料理は全て実習生が自分達で料理、盛り付けしているそうです。

 

乾杯の後、しばらくすると自衛艦旗降納です。海上自衛隊では日の入りの時間になると艦艇後部にある自衛艦旗を降ろしていて、毎日365日この儀式は行われています。喇叭手のラッパの音が響く中、旗竿から旗を取り外すと丁寧に折りたたまれ、明日朝またここに掲げられるまでは旗もおやすみです。

 

お立ち台にはかしまのエンブレム、さわやかな色使いの秀逸なデザインです。

かしまのカレーです。正直な事を言うと、これまで味わった他の護衛艦カレーにくらべたらまだまだな印象は拭えませんでした、これから美味しいカレーを作れるようになって行くんでしょうね。

そうこうしている内に音楽隊が奏でる蛍の光が、散会の時間が来た事を告げます。艦から降りるとあたりはすっかり暗くなっていて練習艦隊には電灯艦飾が灯っていました。

次の日、練習艦隊は近海練習航海の次の目的地、沖縄へと出港していきました。練習艦隊の今後のご安航をお祈りします。

今日もにゅ~ぺとりをご覧頂きありがとうございました。

 

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