金正男、暗殺さる!

      2018/07/06

ここ数日、弾道ミサイルを中心とした北朝鮮関係の話題が巷を賑わせていましたが、昨夜とんでもないニュースが飛び込んできました。

金正男がマレーシア、クアラルンプールの空港で暗殺されてしまいました。

 

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(ジョンナム)氏が13日、マレーシアで殺害されたとする情報に関し、韓国のテレビ朝鮮は「北の女スパイ2人が毒針を用いて毒殺した」と報じた。複数の政府関係者の話として伝えた。(産経ニュースより引用)

ニュースから一日経った現在でも情報は錯綜しており、暗殺者は女二人組だった、他に男が数人居た、暗殺の方法は毒針だった、いや何らかの液体をかけられた等、判然としない情報が現地の混乱を物語っています。

まるでゴルゴ13やスパイ映画のようなにわかに信じられない突飛な話ですが北朝鮮の元宗主国、生みの親は旧ソ連です。かのプーチン大統領がかつて所属していた諜報組織KGB(ソ連国家保安委員会)も破壊工作、暗殺などの任務に関わっていました、その旧ソ連の落とし子たる北朝鮮ならばこのような考え、行動に出るの自然であると言わざるを得ません。

とはいえ、情報が一瞬で世界を駆け巡る現代において、このような直接的な手段に訴えるのは軽率、もっと言えば時代遅れだと思いますし、すでに黒幕まで明らかになったであろうこの状況では、もはや”暗殺”ですらありません。

北朝鮮には主体思想(チュチェしそう)という政治思想があり、これは北朝鮮は常に偉大なる指導者である金一族(現在では金正恩)が頭脳となり民族を導いていくという思想です。それ故、全ての権力が金正恩一人に集約され独裁を成しています。ということはこの暗殺計画には必ず正恩のゴーサインが無ければ出来ないのです。しかしなぜ既に後継者からドロップアウトした正男を今更殺さなければならなかったのでしょうか?

 

そういえば金正恩は2013年12月に叔父も処刑しています。

張成沢(チャンソンテク)当時は国防委員会副委員長、委員長は金正恩なので朝鮮人民軍のまさにトップ中のトップであったと言っても良い人物です。

 

金正男、張成沢、二人のの共通点は血縁だけではなく双方とも生前中国との関係が非常に深かった。となると金正恩は中国から距離を取りたがっているのだろうか?いずれにせよ中国はパイプとメンツを潰された形になります。

 

朝鮮半島には中国から伝わった儒教という宗教があります。朝鮮半島ではすでに宗教の域を超えて教育、道徳として広く浸透している教えなのですが、この儒教には五倫という5つの掟、徳目があります。その中で「長幼の序」という項目があり、「年少者は年長者を敬い、したがわなければならない」という意味ですが、それに照らし合わせると、まだ30代半ばの金正恩が兄や叔父を殺害するという行為は朝鮮人民にとって道徳的に許すことのできない悪行であるはずです。

いかに偉大なる指導者金正恩であるとはいえ、人民の内心はすでに離反してしまっているかもしれません。

 

米トランプ大統領が先日のミサイル発射の報復に、特殊部隊による斬首作戦構想の実行を企図しているとの話も漏れ伝わってきています。

今年はもしかすると北朝鮮にとって変革の年になるかも知れません、今後の北朝鮮の動向に注意を払う必要があるようです。

今日も読んでいただきありがとうございました。

 

 

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